こんにちは、jazz335です。
新規開拓の訪問先で、話を聞いてくれる流れになったとき、最初にどんな会話をすればいいかに悩むことがあります。
話を聞いてくれるといえども、相手にはこちらに対する警戒心があるので、まずこれを解きほぐす必要があります。
そこで、新規訪問先で参考になりそうな会話術のコツを書いた本を選んでみました。
その中から実践で使えそうなポイントについて解説します。
最初に口数多く話し、相手の会社について褒める
僕はそもそも世間話が苦手です。
ですから、いきなり世間話をふってもすぐにボロが出てしまいます。
そんな中で参考になった本が「営業ですぐ結果を出す人の話し方/吉野真由美著」です。
この本は2007年に初版が発行されていますが、現在はアマゾンで検索すると中古品のみの取り扱いになっています。
僕はブックオフオンライン出品の498円+送料257円(合計755円)で購入しました。
中古品といってもちゃんと帯がついていて、汚れや折クセもなく新品同様の状態で届きました。
さて話をもどして、最初の会話について。
この本には「世間話は、無駄だからするな!」と書かれています。
お客様がもとめているのは、表面的な人間関係ではなく上質な情報。
インターネットで商品に関する情報が簡単に入手できる今の時代、いかに上質な情報を提供できるかが営業マンの役割、といったことが書かれています。
いや、ごもっともです。けど、そんな上質な情報を持っていたら、とっくに売れています。
チラシやパンフレットを見せながら、説明文を読むくらいのスキルしかないんですよね、実際のところ。
で、じゃぁどうすればいいの?われわれB級営業マンは。
755円払ったんだから、それなりの情報提供してよね!とファイティングポーズで読み進めるうちに、参考になるくだりが出てきました。
それは、次のようなポイントです。
会話のイニシアチブをとる
まずは最初にこちらから話始めて、しかも口数多く話すのがポイントだそうです。
え、いきなり話していいの?相手のことをヒアリングしたりしなくていいの?とクエッションマークが頭の中に浮かびますが、その理由はこうです。
心理学の法則で、人が複数いる場ではたくさん話す人がリーダーシップをとると言われているそうです。
つまり、営業マンとお客様という2人の関係で、いちはやくリーダーシップをとることが大切なんだそうです。
3つ褒める
じゃぁ何を話せばいいの?となりますが、とにかく3つ褒めることがポイントになるようです。
なるほど、たしかに褒められると悪い気はしないですよね。
けど3つも多くない?と思うのですが、人間の心理として自分が大事にしていないものを褒められてもさほど嬉しくないんですよね。
例えば、最初僕もこの本を読んで、ある訪問先の会社のホームページのデザインを褒めたことがありました。
ところが相手の表情は一瞬曇り「あーあれは社内でも賛否両論ありましてね・・・」とそっけない反応だったことがありました。
ひょっとするとその担当者は、あまり気にいってないのかもしれません。
つまり、ほめるのが1つだけだと空振りしてしまう可能性が高いわけです。
なので3つ褒めるのがコツです。
僕の場合、まず会社への交通アクセスの良さを褒めることにしています。
これは成功したケースがあります。
始めて訪問した先で、対応してくれた総務部の女性と名刺交換した後に、
「ここのオフィスは交通の便が良くてうらやましいです。」と褒めると、
「そうなんですよね、このビルは地下鉄からもJRからも便が良くて、就職するときの志望動機に通勤が便利なところもあったんですよね。」という風に担当の女性が共感してくれて、その後の会話がはずんだこともありました。
あとは、ビルのデザインがいいとか。受付の電話出たひとの応対がいいとか。
褒めるパターンを覚えておけば、いろいろ応用できそうです。
どうにも褒めることがなければ、「お客様、とてもきれいな瞳をしていらっしゃいますね。」とか。いや、これはダメか・・・
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相手との信頼関係を築く会話術とは?
次に紹介する本は、話し方よりも聞き方に重きを置いた内容です。
サブタイトルが長いのですが、「話さなくても相手がどんどんしゃべりだす[聞くだけ]会話術 気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン/松橋良紀著」というのが正式タイトルです。
聞き上手な人は、昔から僕の周りにもいました。
その人と一緒にいると会話をするのがとても楽で、ついつい自分ばかりが話し込んでしまう、という経験はだれしもあるのではないでしょうか?
この本では、掃除機の訪問販売をする営業マン杉野青年が、Shot Bar ラポールのマスターから聞き上手になるための会話のノウハウを教わる、という設定で話が進んでいきます。
そこで、この中ですぐにでも使えそうな技術のポイントについて解説していきます。
「アゴ」を合わせる(ペーシング)
いきなりの質問で恐縮ですが「相手と体の動きを合わせることで、信頼関係を築くことができる」と聞いてあなたはどう思いますか?
僕も最初はなんのこっちゃ?と思いました。
この本に登場する主人公の杉野青年は、掃除機の訪問販売で個人宅をまわる営業マンです。
口下手なこともあり、なかなか売上をあげれず悩む中で偶然通りかかったバー「ラポール」に入ります。
ラポールのマスターは、掃除機が売れなくて悩む杉野青年に「相手のアゴの動きに、自分のアゴの動きを合わせるのじゃ」とアドバイスします。
半信半疑の杉野青年は、ある夜、会社の同僚とキャバクラに行きます。
そこでお客さんのアゴの動きに合わせて自分のアゴを上げる、No.1ホステスの優子に出会います。
そして、彼女からNLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)について教えてもらう、という展開です。
NLPは1970年代にアメリカで開発された心理学的な手法で、人間心理とコミュニケーションに関する学問です。
ここで言う「アゴを合わせる」とは、NLPのスキルの中でペーシングにあたります。
相手と体の動きを合わせるために、よく観察しながら波長を合わせて信頼関係を築くというものです。
コミュニケーションをとるときに意識的に使っているのが言葉にあたりますが、無意識のコミュニケーションも存在します。
それは、ジェスチャーや話し方です。
そして実際には話す内容(言葉)よりも、ジェスチャーや話し方(無意識レベルのコミュニケーション)の方が相手に与える影響が大きいと言われています。
そして、こうした無意識の反応があっている人と一緒にいると、安心感を感じ心を開く傾向があります。
特に新規訪問先では、相手の警戒心を解くのが先決です。
アゴの動きは、よく観察してみると実に様々です。
せわしなくうなずきながら、アゴを小刻みに動かしながらしゃべる人、ほとんどアゴを動かさずに話す人、自分に納得させるかのように時折小さく動かす人。
これを見ながら、アゴの動きを合わせていきます。
最初は大変ですが、なれると意外に面白く、そしてうまくいくと相手がどんどん話をつないでいくのに気づきます。
営業トークではなく、アゴの動きを合わせることで相手の心を開く技術は、慣れるまで時間がかかりますがぜひとも身に着けたいスキルです。
オウム返し(バックトラック)
ラポールのマスターが杉野青年に出した2つめのアドバイスが「オウム返し」です。
相手の話をちゃんと聞いていますよ、とアピールするのがオウム返しです。
相手の話のキーワードを返す、あるいは話をまとめて返す手法です。
特に商談時においては、相手の依頼内容を復唱することで「依頼通りに仕事を進めますよ」という宣言にもなり、相手へ安心感を与えることができます。
オウム返しは、あくまでも相手の言い方をそのまま繰り返すのがコツです。
自分なりの言い方に変換すると「それは違う」と、相手が微妙なニュアンスの違いに違和感を感じてしまう場合があります。
僕は訪問先で受付に立つ前に「アゴを合わせて、オウム返し」と3回繰り返してからのぞみます。
ただ、アゴを合わせるほうはできても、オウム返しがなかなかうまくいきません。
なぜなら、相手の話した内容について自分の意見を言ってしまうからです。
つまり、会話の中で相手の話に共感するというところが抜け落ちているようです。
ですから、これは繰り返し訓練する必要がありそうです。
沈黙を味方につける
一対一の会話の中で、怖いのが沈黙です。
これを恐れるあまり、自分が話しすぎてしまい余計に会話が続かなくなるという経験は多数あります。
そこで、落ち着いた雰囲気でこころの中で3つ数えて相手が話出すのを待ちます。
相手の視線の方向に自分の視線もあわせてみると、より効果がでます。
沈黙には、相手が何か考え始めている場合があります。
こちらも黙ることで、私はあなたの話を聴く用意がありますよ、という無言のアピールをするのです。
これがうまくいけば、相手から本音を聞き出すことができる場合があります。
褒める、聞くで相手と良好な関係を作る
いかがでしたでしょうか?僕が参考にした2冊の本は、いずれも自分中心ではなく相手を尊重した会話の組み立てについて解説しています。
褒めるほうはすぐにでも使えますが、聞く技術はある程度の訓練が必要になります。
新規開拓は人間関係がゼロの状態から商談に持っていく営業スタイルなので、最初の会話をどう組み立てるか?はとても大切なポイントです。
また、相手の話を聴くことでより有効な提案をすることにもつながります。
褒める、聞くでまずは良好な関係を作ることを目指して営業活動を続けていきたいと思います。
法人向けの飛び込み営業では、まず担当者と会話する必要があります。これについては下記の記事を参照願います。