家賃が毎回遅れる!弁護士が提案した意外な解決策とは?

未分類

こんにちは、jazz335です。

転勤の留守宅として持ち家を定期借家で賃貸しているのですが、ここ数年入居者が家賃滞納しており入金1ヶ月遅れが続いています。この状況を改善するために弁護士に相談することになったので、費用面やどういう解決策があるのかお話しを伺ってきました。

家賃滞納1ヶ月遅れで入金されるようになった

コロナ禍で家賃滞納が発生

転勤時の留守宅として定期借家で賃貸しているのですが、入居者が家賃滞納するようになりました。

家賃の入金日の前に委託している管理会社から電話があり、入居者がコロナ禍による収入減で今月の家賃が払えない、待ってほしいと言われた、というのが1回目の家賃滞納の理由でした。

僕に関して言えば、約束の期日にお金を支払えないというのは信用を大きく落とす行為で、それだけは何としても避けたい、と考えるタイプです。

ただコロナ禍は自然災害が起きたのに近い状況でしたし、多くの方が収入を減らしているという事情もあり、その時はしばらく様子を見ようと思いました。

家賃が毎回遅れるため保証会社からの入金が続く

家賃は債権として保証会社へ移行され、1カ月遅れで毎月入金されるようになりました。そして、その状況が2年近く続きます。

管理会社を通して入居者と保証会社の間のお金のやり取りを聞いてもらったところ、毎月1ヶ月分の家賃に滞納分を分割で上乗せして返済しているとのこと。

残金推移表を作成してもらい、滞納が解消される目処がたっている事も確認しました。

それから半年後、1回目の家賃滞納から数えて約2年半かかって、ようやく2ヶ月分の入金がありました。しかしながら、ほっとしたのもつかの間。その2ヶ月後にまたもや家賃が未入金となります。

今回は事前の連絡がありませんでした。

もし、あなたの給料が事前の連絡なしに1ヶ月遅れで振込まれたら、どう思いますか?大家も家賃をみこんで生活してるんですよ。

月末に翌月分の家賃の入金がない場合、管理会社は保証会社に請求します。

その後翌月の10日までの猶予期間を経て管理会社から保証会社に債権が移ります。

ですから、管理会社に家賃が振り込まれるのは翌月末になります。つまり、また1ヶ月遅れの入金に戻ります。

滞納の理由の確認や(当たり前のことですが)家賃は期日までに支払ってほしい、と管理会社を通じて入居者に伝えてもらうことにします。

滞納の理由

管理会社から入居者に事情を聞いてもらったのですが、どうも断片的な情報しか伝わってきません。

その月の収入が少なかったから、というのが滞納の理由。

家賃を期日までに支払うよう入居者に伝えたが、確約をもらえなかったとのこと。

ということは、収入減が一過性のものではない可能性があります。

管理会社は入居者と交渉はしてくれません。あくまでも大家の伝言を伝えてくれるだけです。

ですから、こちらが聞いた以上のことを深掘りしてヒアリングするのは期待できないようです。もどかしいですが、仕方がないですよね。

今後の支払い能力や支払い意思の有無はしっかりと確認しておく必要があります。

家賃の支払い能力がないのであれば、契約を解除して明け渡してほしい、と言うのが本音です。

もちろん今すぐに出て行って欲しいとまでは言いませんが・・・

家賃は保証会社が回収してくれるとしても、仮に退去となった場合に原状回復費用が支払えるのか心配です。

管理会社を通して話が難しいなら、直接話しをしようか・・・

けれど僕が入居者と直接話しをして、感情的になってしまっては元も子もないし。

誰か間に入って話しをしてもらえないか?と考えていました。このまま何もしないという選択肢は、いい結果にはつながらないのではないかと。

そんなこんなで、弁護士に相談することにしました。

弁護士費用は1時間いくらくらいが相場か?

まずは弁護士探しから

弁護士に相談するのは今回が初めてです。

僕は弁護士もののドラマや映画が好きでよく観ます。リーガルハイとか離婚弁護士とか。映画なら、リチャードギア主演の真実の行方とか良かったですね。

その中で依頼者が弁護士へ相談する場面はよく目にしますが、実際に相談するとなると誰にお願いすればいいのかわかりません。

管理会社に賃貸トラブルに強い弁護士を紹介してほしい、と頼んでも「顧問弁護士はいるが紹介はできません」という回答でした。

ネットで調べても、なんかこの人神経質そうだな、とか、難しい理屈でこられたらどうしよう、とか。

普段生活している上で、弁護士に何かを依頼する場面はなかなかありません。

これに対して、司法書士や税理士にはお世話になる場面があります。特に司法書士なら仕事柄弁護士とも連携することがあるのではないかと考えました。

幸い、以前司法書士に不動産名義変更の手続きをお願いしたことがあったので、早速iMessageを送って弁護士のお知り合いがいないか聞いてみます。この司法書士の先生、とても感じがいい方でレスポンスも早いです。

早速返信があり、知り合いの弁護士で家賃滞納のトラブルに対応できる方を紹介していただきました。

ネット社会で何でも自分で探せる時代になりましたが、やっぱり信頼できる人からの紹介が安心ですよね。

相談費用は1時間いくら?

弁護士に依頼すると高い、というイメージがありますよね。では、依頼するかどうか別として初回の相談費用はいくらぐらいなんでしょうか?

弁護士への相談費用をネットで調べると、30分5,000円のところもあれば、高いところでは1時間5万円とまちまち。案件が特殊であるほど料金が高くなるようです。

今回は事前に電話で確認したところ、30分5,500円とのこと。先ほどの相場感からすると、リーズナブルな価格設定だと思います。

また、法テラスを利用すれば、収入や資産が一定額以下であれば電話で無理で相談することもできるそうです。

法テラスとは国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。ただし今回のような賃貸トラブル相談では、給与のほかに家賃収入があるため、収入基準を超えてしまうかもしれません。

弁護士が提案してくれた解決策は?

そして弁護士との相談の日がやってきました。効率よく相談内容を弁護士に伝えられるよう、事前に契約内容やこれまでの経緯をA4で2ページ程度にまとめて持参します。

家賃滞納1ヶ月で契約解除はムリ。それなら別の方法で

弁護士との名刺交換の後、早速A4にまとめたこれまでの経緯を説明し、できれば契約を解除したい旨相談しました。

これに対する弁護士からの最初の見解は以下の通りです。

・契約の解除を求めて裁判を起こした場合、信頼関係の破壊が争点となる。単なる債務不履行だけでは足りない。そもそも賃貸契約では賃借人が守られているので、1ヶ月程度の家賃滞納が長期に続いたとはいえ、程度問題として信頼関係の破壊とはいえない可能性がある。

なるほど、やはりそうですよね。ただ、弁護士はここで違う視点に着目します。

・今回の契約は借主が法人になっている。ただ実態は名義を貸しているだけで、家賃は入居者が払っている。これを無断転貸と訴えることができる。この人(法人)だから貸したのに、勝手に第三者に又貸ししているとすれば無断転貸とみなし、信頼関係が破壊したといえる。

そうなんです。そもそもこの賃貸契約は、家賃滞納になるのがイヤだったので法人契約を条件に募集していたのです。

ですから契約書の借主には法人名が記載されています。ただ、コロナ禍に家賃滞納があった際に管理会社の担当者から聞いた話では、家賃は入居者から振り込まれており、入金が遅れた時に借主の法人に連絡すると「家賃のことは入居者に直接言ってくれ」と取り合ってくれなかったとのこと。

ですから借主は法人なのに、なんで入居者が家賃を払っているの?と疑問には思ってました。

しかも入居者は現在借主の法人には勤務していないそうです。本来なら退職した時点で契約を解除するのですが、入居者が借主の法人のオーナーと知り合い関係と言うこともあり、そのまま契約を継続していたようです。

僕は「そうなんだ、じゃあ借主に催促しても仕方がないな」とあきらめていたんです。

弁護士が言うには「借主がこの人(法人)だから信頼して貸していた。その人以外なら貸さなかった。これは契約時の考慮事項になる。なので借りてる方が勝手に第三者に又貸ししていたのは、信頼関係の破壊に即つながる事象。」

僕「契約書の入居者欄には、現在の入居者が記載されているけど無断転貸になるんですか?」

弁護士「法人だから信頼して貸していたが、実際は名前を貸してるだけで入居している方は(現在)そこの社員でもないし、契約には全く当事者となっていない。と言うことであれば、大家が信頼した相手では無い人に勝手に貸している、と言う解釈ができる。それが無断転貸にあたり信頼関係の破壊はすでにある、と言うことを相手に伝えて解除、と言う筋書きが書ける。」

なるほど。やはり弁護士の視点は理にかなってますね。僕は家賃滞納1ヶ月が続いている点だけに着目していたので、こういうストーリーには気づきませんでした。

もちろん、裁判で争えば相手も弁護士をたてて信頼関係の破壊とは言えない事実を主張してくるかもしれません。

ただ、家賃を支払いできない上に弁護士費用を支払ってまで居住権を主張することは考えにくいです。

弁護士に交渉を依頼した場合の費用はいくら?

では、この辺りの交渉を実際に弁護士に依頼したら費用はいくらかかるのでしょうか。

弁護士費用は支払いのタイミングで2回に分かれます。

■着手金
仕事に入る前に支払う費用。今は統一基準が廃止されたため、当事務所は経済的利益の8%を基準としている。

例えば300万円の経済的利益が得られるなら、着手金は24万円。

ただ今回のようなケースは経済的利益がいくら、とは計算しにくいので、単純に民事の場合は最低料金として30万円(税込33万円)が示談交渉、40万円が調停、50万円が訴訟の場合という設定。

■成功報酬
仕事の依頼に対して完結した時に支払う費用。経済的利益の16%を最後にもらう。300万円の例だと48万円。今回のケースは30万円(税込33万円)。

つまり、無断転貸を理由に契約の解除を求めて、この事務所の弁護士に借主との交渉を依頼した場合、合計66万円(税込)を支払う必要があります。

自分の中で決めていた予算は40万円。そこまでの金額なら依頼しようと決めていたのですが、予算オーバーとなりました。さて、どうしよう。

内容証明郵便で通達してもらう

交渉までお願いすると高くなるので、先程の内容を内容証明郵便で書類を作成して借主(法人)宛に発送してもらうことにしました。

この場合の費用は作成手数料11万円(税込)+発送費用2,165円となります。これなら予算内です。

自分で内容証明を書くこともできますが、やはり弁護士が代理人として出す方が説得力があります。

内容証明の文章を要約すると、

・送付先の法人が契約書上の借主である。
・借主の義務である家賃の支払いが3年前から遅滞しており、現在も約定通り支払われていない。
・現在遅滞している家賃を10日以内に指定した銀行口座に振り込むこと。
・今後は借主が貸主に毎月約定通りに支払うことを請求する。
・法人が借主の義務の履行を拒否する場合は、契約とは無関係の第三者に無断転貸していることを認めることになる。
・無断転貸は契約解除事由に該当する。
・10日以内に何の連絡もない場合は交渉困難と判断し、やむを得ず訴訟等の法的措置をとる。

といったものになります。
弁護士と相談した際に打ち合わせしたストーリーが的確に表現されています。

家賃滞納が続くってどういうこと?とか、なんで借主の法人じゃなくて入居者が家賃払ってるの?という僕の疑問や気持ちを順序だてて代弁してくれています。

まずはここまでやって、借主の反応を待つことにしました。

早速、内容証明の効果が出た!

さて、弁護士から内容証明を法人の社長宛てに送付してから数日後、先方から弁護士宛てに連絡が入り、この件きちんと対応しますとのこと。弁護士から先方の電話での様子を聞く限り、僕が直接交渉しても問題なさそうです。

やはり内容証明、しかも差出人=弁護士名が相手に与える心理的プレッシャーは相当な効果があるようです。

弁護士へは文書作成費用しか支払っていないため、いったんこちらで引き取ります。

僕のほうからあらためて借主宛に手紙を書き、家賃滞納の経緯と今後は借主が契約書の約定通りに毎月家賃を支払う旨の同意書を作成して同封しました。

早速先方から電話があり、迷惑をかけたお詫びと今後はきちんと責任をもって毎月家賃を振り込む旨合意しました。

同意書にも署名捺印して返送してもらいました。やはり弁護士から内容証明を送ったことで、こちらのペースで話が進んだように思います。


<以下作成した同意書>

同 意 書

○○○○ 殿

私、△△△△は、××××所在の貸家に関しまして、下記のとおり同意いたします。

賃料については、XXXX年X月X日締結定期建物賃貸借契約書(居住用)記載の約定通りに△△△△より毎月指定の口座へ振り込むものとする。

以上

年   月   日

住所:                  

氏名:                 ㊞

<同意書文面ここまで>

入居者はいまのところ転居するかどうか意思表示がはっきりしないようです。転居する場合は1か月前までに管理会社へ申請してもらうようお願いしました。

繰り返しになりますが、本件を弁護士に依頼してかかった費用は税込みで112,165円。当初は40万円くらいかかると覚悟していたので、結果的に安くすみました。

その後

本件について、その後の状況を記しておきます。

家賃滞納についての内容証明郵便を送ってから半年が経過しましたが、その後家賃は期日通りにきちんと振り込まれるようになりました。やはり弁護士と相談して内容証明郵便を送ったことで借主との交渉が進展したことが大きかったと思います。

法的なトラブルに直面した場合、弁護士の助言や代理人としての存在は非常に重要です。弁護士は専門知識を持ち、適切なアドバイスや交渉を行ってくれます。自分だけで解決しようとせず、専門家の力を借りることをおすすめします。

内容証明郵便は、相手に対して法的なプレッシャーを与える効果があることがわかりました。自分から送ることもできますが、弁護士を通じて送付することで信頼性や説得力が高まります。トラブル解決の一環として、内容証明郵便の活用を検討してみてください。

交渉や解決策の選択肢は一つではありません。弁護士との相談を通じて、自分にとって最適な解決策を見つけることが重要です。個別の状況に合わせて、柔軟に対応することが求められます。

費用面についても、事前に相談費用や手続き費用などを確認し、予算内で進めることが大切です。本件、弁護士に示談交渉を全て依頼すると60万以上かかりますが、部分的に依頼することで費用をおさえることも可能です。

以上の経験から、トラブルに直面した際には専門家の助けを借りて、適切なアドバイスや交渉によって、解決への道が開けることがあるという事をあらためて実感しました。

これで家賃滞納の件、クローズとなります。

スポンサードリンク